電気自動車(EV)について

2021年2月23日

バイデン米大統領が「温暖化ガスの排出削減を目指す」と宣言し、菅首相は「2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロ」にする目標を掲げた。世界は脱炭素社会に向かっている。
そして、脱炭素社会を実現するには、電気自動車(EV)へのシフトが不可欠である。
☞本ブログ記事:脱炭素社会とは?

少し前に、米電気自動車(EV)大手テスラの黒字化が報道され話題となった。トヨタは25年までにアメリカ新車販売で電動化率を40%、2030年までに70%近くまで引き上げることを目標として掲げた。
自動車業界は「100年に1度の変革期が訪れている」と言われており、日本の株式市場にも大きな影響を与えるだろう。そこで、改めて「電気自動車(EV)」について調べてみることにした。

電気自動車(EV)とは?

外部電源から車載のバッテリーに充電した電気を用いて、電動モーターを動力源として走行するクルマ。ガソリンを使用しないため、走行時のCO2排出量はゼロ。
燃料電池の充電に必要となる電気は、充電スタンドで充電することが可能。自宅に充電設備を設置することで、自宅で充電することも可能。

電気自動車(EV)の3種の神器

電気自動車(EV)で欠かせないのが「モーター」「インバータ(電池からモーターに流れる電流を、直流から交流に変換する装置)」「電池」である。
電気自動車(EV)の普及にあたって問題となるのは販売価格だ。現在、ガソリン車なら100万円余から購入できるが、EV車は300万円台と高級車並み。その価格差は「電池価格」にあるとのことで、電池関連企業は性能向上とコストダウンを目的に開発を進めている。まず、3種の神器のひとつ「電池」からみていく。

LiB(リチウムイオン2次電池)

車載用バッテリーの種類はいくつかあるが、EVの車種で多くが採用している電池は、LiB(リチウムイオン2次電池)である。LiBの主要部材は「正極材・負極材・セパレータ・電解液」で、下記に関連企業を書き留めていく。

◆正極材
5713:住友金属鉱山 最も市場が大きい正極材では「日亜化学工業」とともに世界大手クラス。
4094:日本化学産業 住友金属鉱山から正極材料の生産委託を受けている。
5724:アサカ理研 リチウムイオン電池のリサイクルを視野にレアメタルの回収・精製、製品化を手がける。

◆負極材
日立化成
4208:宇部興産 LiB用電解液事業を「三菱ケミカルHLD」と20年10月新設合弁会社に統合し競争力強化。
5302:日本カーボン 「製鋼用人造黒鉛電極や炭素繊維を国内で初めて量産化、耐熱性に優れた炭化ケイ素繊維の初の実用化」など、技術力に期待が集まっている。

◆セパレータ(正極材と負極材が触れないようにする絶縁体)
3407:旭化成 総合化学企業。世界的に高シェアを有する。
3402:東レ 炭素繊維複合材で世界首位。
3891:ニッポン高度紙工業 アルミ電解コンデンサ用セパレータで世界シェア首位。

◆電解液
4047:関東電化工業 電解質の世界最大手。
4188:三菱ケミカルHLD 総合化学首位。LiB用電解液事業を「宇部興産」と20年10月新設合弁会社に統合。

◆その他Lib関連
6245:ヒラノテクシード LiBの極材にコバルトなどを塗工・乾燥する装置で高シェア。
6246:テクノスマート LiB向け塗工・乾燥装置メーカー。
6407:CKD LiB用巻回機メーカー。

全個体電池

全固体電池とは「電解液を使わず電極間を固体で繋ぐ電池」のこと。メリットとしては ①電解液を使わないことで発火のリスクが小さい ②発熱リスクが小さいため超高速の急速充電に対応しやすい ③既存のリチウムイオン電池よりもエネルギー密度が高く大きな電力を蓄えることができる、などが挙げられる。

モーター・インバータ、電動アスクル

電動アクスルとは、モーター、インバータと「デフ(変速機)」「ハウジング(機械の筐体部品のうち装置などを包み保護する覆)」が一体化したもの。EVの小型化・軽量化・効率化に不可欠な製品とされる。

4203:住友ベークライト 半導体向け封止材料で世界首位。電動アクスルの開発を進めている。
6508:明電舎 三菱自動車のEVなどにモーター・インバータを提供。
3505:東洋電機製造 電車用駆動装置の製造大手。EV用モーター・インバータも展開。
6149:小田原エンジニアリング モーター用自動巻線機で国内首位、世界2位。
6125:岡本工作機械 世界唯一の総合砥粒加工機メーカー
6996:ニチコン EVの充電回路などに使う新型アルミ電解コンデンサーを開発
6957:芝浦電子 温度センサー最大手。自動車排ガス浄化装置や燃料電池用の高温素子・センサーの開発。

電気自動車(EV)の普及に関しては、コストダウンだけでなく充電器の体制整備も不可欠だが、どちらも実用化までには程遠く感じる。また、Lib以外にも、全個体電池や水素をエネルギー源とする燃料電池自動車(FCV)の開発など、脱炭素社会で何が主流となるのか全く先が読めない状況である。
☞本ブログ記事:
脱炭素社会に関連する銘柄:水素・燃料電池
燃料電池自動車(FCV)について

【参考サイト】
◎次世代自動車振興センター:クリーンエネルギー自動車とは?
◎EV-tech.jp:バッテリー(電池)の種類
◎東洋経済オンライン:電気自動車普及のカギを握る電池技術の現在地
◎EVsmartブログ:『全固体電池』が電気自動車普及の切り札?